前立腺肥大症の合併症について

前立腺肥大であっても、必ずしもすべて治療が必要になるわけではなく、前立腺肥大によって起こる症状がどの程度か、またどれくらい生活に支障を与えることが重要です。

また、一般的には加齢とともに前立肥大症は徐々に進行しますが、前立腺サイズや症状がまったく変わらないことも多いようでう。それで、前立腺肥大症でも自覚症状が軽度であれば、経過観察で様子をみればよいし、予防的に治療をする必要もありません。しかし、前立腺肥大症が進行すると、症状の悪化のみでなく、次のような様々な合併症を引き起こすことがあります。

♣ 尿閉

膀胱内に尿が充満しているにも関係なく、尿が出せない苦しい状態となり、これを尿閉(にょうへい)と言います。前立腺肥大が高度なほど起こりやすく、飲酒、風邪薬の服用が尿閉を引き起こす要因として頻度が高いものです。

また、尿を我慢しすぎることが、尿閉を引き起こすこともあります。胃内視鏡検査を行う前に、胃の動きを止めるために注射(ブチルスコポラミン臭化物)を打ちますが、前立腺肥大症があるとこの薬が尿閉を引き起こすこともあるので、ご注意してください。

♣ 尿路感染

排尿障害のために、膀胱内に残尿が残るようになると、尿路感染が起こりやすくなります。

♣ 膀胱結石

膀胱内に常に残尿がある状態が長期間続くと、膀胱内に結石ができることがあります。

♣ 腎機能障害

膀胱内に多量の残尿が残るようになったり、排尿障害のために膀胱壁が高度に肥厚(厚くなる)すると、腎臓から膀胱への尿の流れが妨げられ、腎臓が腫れる状態(水腎症)となり、腎不全になることがあります。

♣ 肉眼的血尿

前立腺肥大のために、尿道粘膜の充血が起こり、前立腺部の尿道粘膜から出血して、血尿が出やすくなります。

♣ 溢流性尿失禁

溢流性(いつりゅうせい)尿失禁は、膀胱内に常に多量の残尿が存在するために、膀胱内にそれ以上尿が貯められなくなり、まるでダムから水が溢れるように、尿道から尿が溢れ出て、いつも尿がちょろちょろと漏れる状態を言います。
後述するように、前立腺肥大症に対しては、まず薬物治療が行われますが、上記のような合併症を発症した場合には、手術による治療が行われます。

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